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川口 浩一
第4回再処理リサイクルセミナーテキスト, P. 147, 2006/05
簡素化ペレット法燃料製造システムは、湿式再処理製品のPu富化度調整済み溶液を出発物質に、脱硝・転換により混合酸化物(MOX)粉末を生成し、ペレットに成型・焼結した後、被覆管に充填し燃料集合体に組上げる燃料製造システムである。セル内での燃料の量産においては、燃料微粉末の発生・飛散を低く抑えることが重要である。燃料微粉末の飛散は、在庫差(MUF)の増大,燃料の予期せぬ集積による臨界のおそれ、機器への付着による故障、保守補修時の被ばく増大、廃棄物の放射能増大などの要因となる。本システムでは、従来法によるペレット燃料製造に比べて、燃料微粉末の発生・飛散の源となる粉末混合工程を削除している。また特に燃料微粉末が発生・飛散しやすい機器に対しては、フードによる閉じ込めと集塵機による回収により、セル内空間への燃料粉末の飛散を防ぐ設計としている。また、本システムに対応する要素技術開発の取り組みとして、燃料粉の流動性向上による金型への粉末充填率向上,ダイ潤滑成型技術の開発,低除染MA含有MOXの焼結技術開発,燃料ペレットの遠隔製造技術の開発を行っている。
中林 弘樹; 駒 義和; 中村 博文; 佐藤 浩司
第4回再処理リサイクルセミナーテキスト, p.142 - 146, 2006/05
本発表は「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究」フェーズIIにおいて実施した、先進湿式法再処理システムに関する設計検討の成果を説明するものである。本システムの検討においては、FBRの使用済燃料の処理を行ううえで、安全性の確保を前提として、再処理コストの低減,環境負荷低減,資源有効利用性向上、及びシステム自体が持つ核拡散抵抗性の向上、に向けた設計要求が課せられた。この要求を満足するため、抽出工程の処理負荷低減のための晶析法の導入,抽出工程の合理化及び核拡散抵抗性向上を目指した簡素化溶媒抽出法の採用,二次廃棄物発生量の低減のための使用薬品のソルトフリー化,環境負荷低減の観点からAm/Cmの回収を行うためのMAクロマトグラフィーの導入、など新規技術を導入した先進湿式法再処理システムの概念を構築した。技術的評価の結果、本システムは本調査研究において要求された設計要求に対する適合性可能性が高く、既存技術の延長線上にあることから技術的実現性も高いことが示された。
北尾 貴彦; 根本 弘和*; 山田 敬二; 酒井 敏雄
no journal, ,
東海再処理施設抽出工程におけるネプツニウムの迅速な定量分析法の確立を目的として、ウラン,プルトニウムが共存する硝酸溶液中の線スペクトロメトリによるネプツニウムの定量分析を試みた。本法を東海再処理施設の実試料に適用し、その迅速性・簡便性を確認した。
向 泰宣; 加藤 良幸; 木村 雄一*; 根本 良*
no journal, ,
原子力機構ではMOX製造コスト低減に向けたプロセスの簡素化によるショートプロセス技術開発を実施している。本技術は、高速炉実用化戦略調査研究において主概念に選定された簡素化ペレット法における主要技術である。このうち、粉末調整工程を簡素化するための技術開発として、転動造粒法による粉末流動性改良試験を実施した。転動造粒による流動性改良では、脱硝設備に造粒機構を付加し、マイクロ波脱硝造粒設備を確立することを目指しているが脱硝粉末中に残留する硝酸成分が造粒処理に影響を与えることが懸念されるため、焙焼還元粉末,前熱処理済脱硝粉末,脱硝粉末の順で3種類のMOX粉末を用いて段階的に試験を実施した。この結果、MOX粉末の種類によらず、転動造粒法により粉末の流動性指数を目標値の60以上にできることを確認した。なお、脱硝粉末では試料ごとに残留硝酸成分量を把握し、水分添加率を管理する必要がある等の課題が見いだされた。
平田 勝; 木村 貴海; 吉塚 和治*
no journal, ,
分離変換技術開発のためのアクチノイド分離用抽出剤に関する計算化学的評価法について報告する。アクチノイド元素及びランタノイド元素と抽出剤との系の第一原理量子化学計算から分子力学パラメータを求める手法とそのパラメータを用いた分子力学計算,分子動力学計算に関する応用研究について紹介する。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
no journal, ,
核燃料サイクル開発において、再処理プロセスの経済性の向上は最も重要な課題の一つである。とりわけ将来の高速炉(FBR)サイクルの確立には、現行のPurexシステムに比べ機器設備が少なく、廃棄物の発生が少ない新規再処理プロセスの開発が望まれる。著者らは使用済みFBR-MOX燃料を対象とした、新規の湿式再処理プロセス「ERIXプロセス(The Electrolytic Reduction and Ion Exchange Process for Reprocessing Spent FBR-MOX Fuel)」を提案している。本プロセスは(1)陰イオン交換体によるPdの選択的除去,(2)電解還元によるアクチニド(U, Pu, Np)、及び核分裂生成物(Tc, Ru)の原子価調整,(3)陰イオン交換体AR-01によるU, Pu及びNpの分離回収,(4)抽出クロマトグラフィーによる長半減期のマイナーアクチニド(MA=Am, Cm)の分離回収から構成される。MA分離は二段の分離カラムを使用する。はじめに、TODGA(N,N,N',N'-tetraoctyl-3- oxapentane-1,5-diamide)吸着剤を充填した第一カラムで、高濃度硝酸溶液の高レベル廃液からMA(III)とランタニド(Ln(III))を他の核分裂生成物(FP)と分離する。続いて、R-BTP(2,6-bis-(5,6- di-n-alkyl-1,2,4-triazin-3-yl)pyridine)吸着剤を充填した第二カラムでMA(III)とLn(III)を相互分離する。長期に及ぶ放射能リスク及びHLLWの管理の負荷を低減するために、HLLWからのMA分離が望まれており、本研究ではR-BTP吸着剤を用いたMA分離について検討した。
伴 康俊; 朝倉 俊英; 森田 泰治
no journal, ,
湿式再処理プロセスにおける完全焼却処分が可能な抽出剤の一つとして、モノアミド化合物が提案されている。U及びPuの濃度分布計算を分配比の酸濃度及び元素濃度依存性を考慮して行い、N,N-di-(2-ethyl)hexylbutanamideを用いた再処理プロセスの成立性を検討した。
加藤 淳也; 宮内 厚志; 青嶋 厚; 塩月 正雄; 山下 照雄; 中島 正義; 守川 洋; 三浦 昭彦; 福井 寿樹*; 山崎 晶登*; et al.
no journal, ,
本技術開発の目的は、高レベル放射性廃液の処理処分コスト低減等を図るため、現行のガラス固化溶融炉を高度化し、溶融炉の長寿命化を実現することである。そのため溶融炉の寿命を決定している耐火材の侵食並びに電極消耗の2点に対して対策を講じた新たな長寿命ガラス固化溶融炉の技術開発を行う。耐火物侵食対策としては、溶融炉壁を冷却することによりスカル層(ガラス固体層又は低温高粘性流体層)を形成させ、ガラスによる侵食抑制を図る「長寿命炉壁構造」の開発を行う。電極消耗対策については、現在、炉に固定されている電極を消耗品として容易に交換できるようにするとともに、加熱領域の柔軟性等を有する「可換式電極構造」の開発を行う。また、本開発においては長期に安定な運転条件を把握するため、シミュレーション解析等を進めるとともに、各技術の検証のための小型試験装置の設計及び製作,コールド試験を行い、次世代ガラス固化溶融炉として実用化を図る。
菊池 俊明*; 山崎 和彦*; 草間 誠*; 近沢 孝弘*; 田巻 喜久*; 半沢 正利*; 古志野 伸能*; 浅沼 徳子*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; et al.
no journal, ,
本技術開発の目的は、ウラニルイオン選択的沈殿法を再処理主工程に適用することにより、簡易FBR再処理システムを構築することである。本検討では、まず、NCP(N-シクロヘキシル-2-ピロリドン:沈殿剤)の硝酸溶液中での選択的沈殿能の発現機構の解明,沈殿条件の詳細検討,TRU核種に対する沈殿能の把握などを行い、次いでこれらの知見をもとに、提案再処理システムの成立性について安全性,経済性などの見地から検討した。3年間に渡り実施した研究開発の成果を総括して発表する。
鈴木 伸一; 矢板 毅; 木村 貴海
no journal, ,
われわれの研究グループでは、FSの核燃料サイクルシステムのバックアップ技術として高除染を基本としたN,N-ジアルキルアミドの再処理への適応性研究を行っている。N,N-ジアルキルアミドは、焼却処分が可能であるため廃溶媒処理において、固体廃棄物低減が期待できる化合物である。このN,N-ジアルキルアミドは、硝酸溶液系でアクチノイド:An(IV), An(VI)を効率的に抽出することが知られているが、アルキル鎖に枝分かれを導入すると、Anとの錯形成時に立体障害が発現し、特にAn(IV)との錯形成時にその効果は大きく、結果として抽出分配比(D)においてDPu(IV)DU(VI)になる。また、硝酸濃度やU(VI)濃度が高いところで生じる第3相は、これらアルキル鎖の長さに依存する。さらに、N,N-ジアルキルアミド[R1C(O)NR2R3]において、R1, R2, R3のそれぞれのアルキル鎖に枝分かれを導入した非常にかさ高いN,N-ジアルキルアミド化合物の場合、U(VI)を単離することができる。本発表では、(1)TBPの代替抽出剤としてU-Puを分離回収できるN,N-dioctylhexanamide(DOHA),(2)U-Pu分離後酸濃度の調整でU-Puを分離できるN,N-di-(2-ethyl)hexyl butanamide(D2EHBA),(3)Pu(IV)を抽出することなく高濃度U(VI)を選択的に抽出する(単離する)N,N-di-(2-ethyl)hexyl-2,2-dimethyl propanamide(D2EHDMPA)について、アクチノイドの抽出特性等を中心にそれぞれ比較紹介する。
朝倉 俊英; 森田 泰治
no journal, ,
発熱性核分裂生成物であるCs, Srの分離は、高レベル廃棄物の発熱量を低下させて処分の合理化に寄与し、また、分離回収したCs, Srについては、放射線源(Cs),熱源(Sr)としての利用も考えることができる。これまでの群分離プロセス研究において開発してきた無機吸着剤(ゼオライト,チタン酸)による吸着分離法を発展させるうえでは、より高い酸濃度(数M程度)の溶液からCs, Srを吸着分離できる吸着剤を開発することが、重要な課題の一つである。この報告では、Srの無機吸着剤について文献調査した結果を述べる。硝酸濃度1M以上の場合についてSr吸着分配係数が報告されていた無機吸着剤は、ほとんどがアンチモン酸系の化合物であった。純粋なアンチモン酸の場合で最も高い吸着分配係数が報告されており、Sb以外の金属元素も含む場合にはSr吸着分配係数はより低くなる傾向がみられた。硝酸濃度が高いほどEuに対するSrの選択性は高くなる傾向が見られた。
田中 俊彦; 佐藤 浩司
no journal, ,
高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズ-2研究における目的,検討対象,有望な概念選定と実用化への道筋について、それらの概要を紹介する。
相澤 康介; 安藤 将人; 小竹 庄司; 林 秀行; 早船 浩樹; 藤井 正; 佐藤 一憲; 皆藤 威二
no journal, ,
日本の高速増殖炉技術を継承,発展させたナトリウム冷却ループ型高速炉の設計研究が進められている。本プラントの特長は、原子炉構造のコンパクト化,ポンプ組込型中間熱交換器,ループ数削減,配管短縮等の革新技術を採用することにより、優れた経済性を有している。また、常陽,もんじゅ及び実証炉計画での技術の継承・発展できることより、確度の高い技術的実現性が見通せている。さらに、ナトリウムの特性を活かした高温・低圧システムであり、自然循環での崩壊熱除去が可能であることから、優れた安全性を有している。本発表では、本プラントの概要及び革新技術に関する要素技術開発の成果の概要を説明する。
佛坂 裕泰*; 伴 康俊; 池田 秀松*; 原田 雅幸*; 水口 浩司*; 三倉 通孝*; 菅井 弘*; 渡慶次 学*; 池田 泰久*; 森田 泰治; et al.
no journal, ,
マイクロ化学チップと熱レンズ検出器を用いることにより、極微量試料に対して高感度・迅速分析を可能とする分析装置の開発を行うため、下記事項の検討を行った。マイクロチャネル中で水相と有機相が安定な二相層流を形成する最適流量条件,U(VI)並びにH濃度分析への熱レンズ検出器の適用可能性,マイクロチャネル中における水相から有機相へのU(VI)抽出特性、及びマイクロ化学チップとキャピラリーチューブの耐放射線性。本発表ではこれらの検討事項の概要を報告する。
山下 淳一*; 深澤 哲生*; 河村 文雄*; 星野 国義*; 笹平 朗*; 佐藤 正知*; 湊 和生
no journal, ,
原子力政策大綱によれば、原子力発電の着実な推進を図るためFBRを経済性等の諸条件が整うことを前提に、2050年頃から商業ベースで導入を目指すとしている。これまでFBRサイクルの検討は専らFBR平衡期を対象に、経済性に優れたFBR及びFBR再処理が開発されてきたが、FBR移行期はほとんど検討されていない。FBR移行期には軽水炉再処理はFBR用Pu供給の役割を果たすが、FBR導入速度の変化に柔軟に対応しないとPu需給バランスが崩れ、稼動率(経済性)を悪化させる可能性が生じる。このような背景の元に、本研究ではFBR,FBR再処理,軽水炉再処理を一体と考え、経済性と柔軟性を両立させた革新的システムを提案する。
佐藤 修彰*; 竹中 俊英*; 林 博和; 天野 治*; 河村 文雄*
no journal, ,
一次エネルギーの4割を占める石油ピークへの備えとして原子力発電の増強が期待されている。そのためには、ウランピークと高レベル廃棄物処分の国民的理解が課題である。近年の米国のGNEP構想などでも同様の認識であり、日本及び諸外国において高速炉サイクルの導入が検討されており、高速炉用燃料としては金属燃料もその候補として研究開発が行われている。一方、現在並びに近い将来での日本の軽水炉燃料は酸化物であるため、高速炉用燃料として金属燃料を採用する場合には酸化物燃料を金属に転換して大量の初期装荷燃料を得る必要がある。そこで、使用済軽水炉燃料から高速炉用の金属燃料を得るため、フッ化物溶融塩中での金属還元抽出による再処理法を提案する。具体的には使用済燃料から余剰ウランをフッ化物揮発法で高速分離し、Pu, MA, 少量のUを含む回収物質を溶融塩に溶解し、液体金属で選択還元抽出して金属燃料を得るもので、エネルギー効率の面から筋の良い高経済性の処理方法である。
向 和夫
no journal, ,
実用化戦略調査研究フェーズII成果の概要として、開発目標,有望な候補概念の検討と研究開発の重点化,今後の研究開発計画案と課題について概括した。フェーズII研究にあたっては5つの開発目標を設定して研究を進め、それぞれの能力を最大限に引き出すことが可能なFBRシステム及び燃料サイクルシステムを構築した。また、それらを組合せたFBRサイクルシステムとしての有望概念の技術総括を行い、主として開発を進めていく概念と補完的に開発を進めていく選択肢を提示した。今後の研究開発については、主概念に重点的に投資してくこととし、補完概念は技術的実現性の観点から重要な課題を中心に進めることが適切と考える。実用化に向けたFBRサイクルの研究開発は、2015年頃までの技術体系整備に向けた第一段階,実用化を見通すためのFBRサイクル技術の実証のための第二段階,商業ベースでの本格導入を目指して実用化を推進する第三段階の三つの段階を踏んで徐々にステップアップを図りながら進めることが適切である。